今現在、秋田市ではイオンが外旭川に大型ショッピングモールの建設案を進めている。秋田市にはイオンが御所野と楢山と土崎にあり、特に御所野のイオンは県内最大規模のイオンモールである。このイオンのせいで秋田駅周辺のいわゆる中央市街地は死に絶えた。
先日、衝撃のニュースが入ってきた。秋田駅のすぐ近くにあるショッピングモールFONTEの地下一階の食料品売り場が21年2月をもって撤退するのだそうだ。となりの西武地下にある食料品売り場は継続されるのだが、西武の食料品内場はスーパーのような感じではなく物産店のほうが近いので、正直、代替はできないだろう。さて、秋田駅周辺に住む人はどこで買い物をすればいいのだろう?近くというと中央市場くらいしかないのではないか?いわゆるスーパーと呼ばれるものは秋田駅周辺には見事にない。
最近、秋田駅周辺には、おそらく市が投資したのだろう、高層マンションがどんどん建設されている。どうしても秋田駅を見捨てられないのだろう。必死になる気持ちはわかるが、それらのお金はわたしたちの血税だ。果たしてそんな無理な投資をして還ってくるものがあるだろうか?
エリアなかいちの開発も結局は失敗に終わった。なかいちはほとんどの店が撤退し、現状は美容皮膚科と売れるのかもわからないような物産店が並ぶ始末だ。秋田県立美術館の再建だってそうだ。安藤忠雄が設計しただけあって建物は立派だ。しかし肝心の中身がない。県立美術館には藤田嗣治が残した「秋田の行事」という超大型の壁画といってもいいくらいの大きな絵画があるのだが、ほぼこのためだけに建てたという感触がぬぐえない。二階にもギャラリーはあるのだが、あまりに狭くて飾れるスペースがない。何回か個展を見に行っているが毎回展示作品が少なくて消化不良に終わる。それよりだったら普通に千秋美術館のほうがギャラリーは広い。
イオンができたから中央市街地が衰退した。うん、その意見は正しい。では、なぜ、”中央市街地”ではならないのか?をもう一度考えてほしい。
僕は通院の都合上、週に一回は必ず秋田駅前に行くのだが、土日に行っても若者とすれ違わない。8割くらい高齢者だ。
しかし、イオンに行くと違う。子供からお年寄りまで、カップルから家族連れまで、全世代がいる。そりゃ当然だ。イオンには映画館があるし、ショッピングモールは一日で回れないくらい広いし、フードコートも充実していて、食料品も買えて、コスメも買えて、楽器屋もある。とにかく一日退屈することがない。
それに比べて秋田駅前はどうか。映画館はある。だが、どれも人気のない洋画ばかりで、そもそも東宝はイオンにすべて取られてしまうので松竹と洋画とそれ以外しかおけない。しかも最近は松竹も取られつつある。FONTEははっきり言うがお年寄り向けで服なんて買うところがない。OPAは比較的ましだが、まだ出来て二年も経っていないのにどんどん閉店していくのはどういうことなのか。そんなこんなで秋田駅前で時間をつぶすのはかなり難しい。家族連れにはつらいだろう。それだったら車を出してイオンに行くよ、とこうなるだろう。
正直、もう市政が中央市街地活性化を達成することはないと思う。だって民間でやってもうボロボロなんだから。だったらここで見限る覚悟は必要だと思う。いったいいくつの失敗を繰り返して、いくらの血税を無駄にしたんだ?真剣に答えてほしい。
市政はとことんイオンを嫌っている。イオンが秋田をダメにしたと思っている。しかし、本当にそうか?あなたたちはイオンで楽しそうに過ごしているカップルや家族を見てそれを言えるのか?イオンがなかったら、秋田は旧来型の商店街を維持していただろう。しかし、そこに何の価値がある?商店街だったら車で来た人はどこに駐車したらいいんだ?有料駐車場に置けというのか?今まで通り古い映画館で古い映画や売れない映画ばっかりやってれば満足だとでもいうのか?
わたしたちは旧来型の商店街市場がいらないと思ったから、そう選択したからイオンに行くのだ。それにお金を投資してどうする。
秋田にはイオンが必要だ。中央市街地活性化は今後一切やめていただきたい。絶対失敗する。それよりだったら外旭川にイオンを建てていただきたい。御所野は交通が不便なのだ。僕は運転が苦手なのでバスで行くのだが、立地的に乗り継ぎが発生するし、運賃は往復2000円かかるし、運行時間もどんどん減っている。イオンがシャトルバスを火曜、日曜、祝日に運行しているのだが、これがあまりにも混む。ほとんどが学生で、一度夏場に乗ったのだが、明らかに定員オーバーな、ラッシュ時の山手線か、という混み方だったのでもう利用していない。外旭川が無理なのなら運行本数を増やすなり、せめて四ツ小屋駅からシャトルバスを運行してもらえないだろうか?最寄駅から徒歩三十分はきつい。
別に一つの民間企業がもうかったっていいじゃないか。イオンが死ぬ気で努力している証拠なんだから。商店街は結局イオンの利便性に勝てなかっただけだ。それに対して不平不満を言って県民の利便性を低めるようなことを言ってもらっては困る。そんな頭の悪い議論はいますぐやめてほしい。