昨日のグラミー賞授賞式をWOWOWの生放送で見た。
まず、1ファンとしてビリー・アイリッシュ、主要4部門制覇おめでとう!
本当にうれしい。現地のビリーの注目度の高さといったらなくて、インタビュアーが「注目のアーティストは?」と聞くと100%、ビリーという答えが返ってくる。むしろ当然と言えば当然で、彼女は現代のティーンエイジジャーのカリスマだし、音楽的に見てもいままでのどのジャンルにも属さない、オリジンを確立している。これはある解説者が言っていたことだが、ビリーは現代のパンクに近い。いままでの音楽をすべて破壊して新たに構築する様はまさしくパンク精神だ、と。9月に来日公演も決定したそうで、これから日本でもビリー熱が加速していくだろう。みんな乗り遅れるな!
こちらはグラミーでのパフォーマンスの映像。
やっぱりbad guyもいれておこう。
さて、僕が注目したいのは、アメリカにおける差別意識の根絶だ。
たとえば、リゾ。彼女はビリーとともに主要4部門を争ったが、主要4部門こそ逃したものの、3部門を受賞する快挙を成し遂げた。
見れもらえればわかると思うが、だいぶ太ってらっしゃる。日本で言うと渡辺直美みたいな感じだろうか。しかも彼女の場合黒人である。そんなコンプレックスの塊のような彼女が歌う歌は、わたしはこれでいいんだ、誇っていいんだという素直な肯定のメッセージである。これが響いたのだろう。現代社会では事故好悪定款の低い人が多く、問題視されている。思えば現代人は本当にコンプレックスの塊だと思う。他人から見ればどうでもいいようなことを延々、悩んでいたりする。そういう人たちに彼女の歌はまっすぐ届いたのだろう。
また、二部門を受賞し、BTSとの人種を超えたコラボでも話題を呼んだリル・ナズ・Xはゲイであることを公表している。
近年ではもう堂々と同性愛者であることを公表することが増え、特に珍しくもなくなった。逆にそれを売りにしてしまう人も現れている。
また、アリアナ・グランデのショーでは下着姿で踊るアリアナのバックダンサーに一人だけ男性が混ざっていたのだが、それすらももはや自然で、とてもセクシーに、堂々とダンスしていた。
アメリカでは性差や性的マイノリティ、人種という問題はあたりまえのことになっているし、人は一人一人違うのであってそれを自然と受け止められる基盤があるのだと思い知らされた。
しかし、これが日本だったらどうだろう。いまだに同性婚に反対する人は多いし、今話題の杉田水脈議員は以前にヘイトスピーチを雑誌に掲載している。日本ではいまだに大勢に同化する「共同体幻想」が根付き、それによって自分自身でさえ虐げられているということに気づきもしない。元来、日本は保守的な国だった。いつになったら日本は差別をなくせるのだろうか。
また、これらのグラミーでの空気感とトランプ大統領の方針はまったくの真逆だ。トランプは人種差別発言を繰り返し、白人至上主義の世界をつくろうとしている。移民は排斥し、メキシコの壁をつくろうとしている。世界的に見ても移民に対する風当たりは冷たい。イギリスのEU離脱もその一つだ。なぜ、そんなことでつまずくのだろう。確実に人類は差別から手を引き始めていたのに、他国民に職を取られることがそんなに怖いのか。というか、そんなの自分の努力不足だろう。移民は精いっぱい努力して資格とってビザとって血のにじむような努力をしてるんだ。それにあぐらかいて俺は努力しない、勝手に職を取られてるなんて被害妄想にもほどがある。口を開く前に勉強するべきだ。