お願いですから動画見てください。
https://www.youtube.com/watch?v=VwHhTue2eBM
配信はこちら。
ド新人がどんなにいい曲を書こうともいいボーカルを使おうとも、SNSの波及力がなければ意味がないんだと痛感しています。それについては後で記事にします。
約束したので楽曲解説をします。WOR(L)DSという曲です。
ボーカルは秋田県横手市在住のイラストレーター「ぶちこ」さんが担当しています。こちらは僕がレコーディングに立ち会ってディレクションを行いました。
<歌詞全文>
この空に溶けゆく希望の光たちよ
未だ言葉に力はなく美しい夢を語らず
暗闇しか見えず心は彷徨い続け
救いを求めて旅をまだ続けてる
空っぽの未来でもそれは光となる
いずれ砕けるとしても闇を照らしてくれるよ
言葉で汚れた世界 闇を創り出したのは外ならぬ私たちだ
言葉で世界は変わる
刃を人に向けるな 穢れた自尊心を見せびらかして生きるな 大切なものを探せ
美しいものだけこの世界にあればいい きっとそれは己の中にある 心に問いかける
この先どんな未来が待っているの 世界が終わるとして
歴史を誇れるだろうか
戦争の痛みさえ百年忘れられない僕らが描ける未来
それは美しいだろうか
エゴイズムもナショナリズムも人の手には余る
僕らが変えられるのは自分の人生だけだ
情報で溢れた今を生きる子供たち 彼らが安らかに眠れる夜が訪れるように
現実はおそらく流刑地なんだと思う 理想郷ははるか遠く 天上の世界にある
それでもこの悲惨な現状を変えたいのだ そのために僕が変わらなきゃ 人を愛せるように
すべての答えはいつだって自分の心の中にあるから ことわりは自明なのだから
人は変われない そう嘆いた夜があった 僕は変わり続けた 昨日の僕は僕じゃない
ひとときとして同じ人間ではいられない 過去の積み重ねが今の自分を形作るのだ
今日の日をどれだけ誇れるかで未来はつくられるから
人は希望を描き続けられるんだ
<解説>
これはとても政治的な歌であり、同時に個人的な歌でもあります。
もし、現実に地獄が現出するなら、今がそうだと思います。
SNSの誹謗中傷、それを取り上げて火に油を注ぐマスコミ、どうでもいい政治批判を繰り返す野党、芸能人の不倫をまるで人でなしであるかのように尊厳を踏みにじったような報道をするバラエティ。
現在、”言葉”がより暴力的に、エゴイスティックに、ただ自分の驕慢を満たすだけのものとして扱われています。それは正しいあり方ではない。言葉とは他人と分かり合うために存在するもの。
なぜ、人は人を見下そうとするのか。嘲笑い、貶し、貶めようとするのか。
現在に生きる10代の方々が不憫になるほど、2019年は言葉と尊厳が貶められた一年でした。
そして、政治的局面でも日本は窮地に陥っています。日韓関係はかつてないほどに冷え込み、相も変わらず北朝鮮はロケットマンだし、トランプは横暴を繰り返す。
僕はなぜ、過去の戦争の痛みを我々、今を生きる若者に向けるのか、とこの歌詞で書きました。ずいぶん覚悟のいることでした。しかし、書かずにはいられなかった。僕だって、旧帝国陸軍がどれだけ残虐なことをしたかくらいは知っています。しかし、それはもう過去のことなのです。僕が生まれたのは1993年です。終戦から約半世紀も経っています。そんな世代になぜ、過去の罪を問うのです? 過去の日本人が非人間だったからといって、僕らも非人間であるという証明は成り立ちますか?
人は自分にされた悪いことは覚えているくせに、相手がしてくれた良いことはまったく記憶できないみたいです。それがただただ悲しい。
しかし、そうした批判、非難でこの曲は終わりません。これは僕の心情でもあります。悲しいだけの歌なんていらない、悲しくても希望を抱ける歌を。
僕はこの世界を変えたいと思う。でもそのためにやるべきことは自分が変わっていくことだ、と。自分が人を愛せないのに、人に愛を説くことはできない。
人が一人一人、少しづつでいいから変わっていくことで、世界を愛が包む日がやってくるかもしれない。そういう、希望を歌った唄です。
今回のボーカルのぶちこさんですが、僕がジモティーで県内でボーカルをやってくださる方、と募集をかけたところ、真っ先に連絡をくれ、すぐにカラオケ音源まで送付されてきて、びっくりしました。その熱量に押されて、これだけ意気込んでやってくださるなら安心して任せられる!と思い、お願いしました。
ぶちこさんは本業はイラストレーターなので、力量が足りない部分もありましたが、自分で歌い方を研究されていたり、とにかくまじめな方なんだなと思いました。Akiraさんには及ばずとも、なかなかよいテイクになったと思っています。
disabled novelがかなり重心が重い曲だったので、今回の曲はメジャーキーで、キックも腰高な感じにしようとサウンドデザインしました。急にヘヴィーになる二番のAが肝です。
以上、楽曲解説は終わりとなります。
最後に、この場を借りて、ボーカルを担当してくださったAkira Yamamotoさん、ぶちこさん、イラストを描いてくださったぶちこさんに感謝申し上げて結びに代えさせていただきます。
ありがとうございました。