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細美武士、キャリアの締めくくりを飾る最終章の幕開け-MONOEYS

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このブログを更新しなくなって1年が経つ。

理由は簡単だ。

僕よりもChatGPTのほうが文章がうまいから。

多くのブログはほとんど無価値化した。AIの登場によって。

だが、僕が書いていない間にもこのブログには一定のアクセスがあった。

もしかしたら、更新を待っている人がいるのかもしれない。

いや、そもそも、AIに音楽評論なんてできないんじゃないか?

そう思ってこの記事を書いている。

実は前の記事からコメントを許可した。

もちろん、スパム対策は打ってある。

誹謗中傷も来るかもしれない。

それでも、もしかしたらこの記事を待っているかもしれないあなたの声が聞きたいと思ったのだ。

すぐにやめるかもしれないが、気軽にコメントしていただいて構わない。

ただ、誹謗中傷・アンチコメはやめてね。

というわけで、本題。

MONOEYESの最新アルバム「Running Trough the Fire」がリリースされた。

これが本当に傑作である。

https://amzn.to/46aMAII

実を言うと、僕はあまりMONOEYESが好きではなかった。

細美武士のファンにはELLEGARDEN世代とthe HIATUS世代とMONOEYES世代に分けられる。

僕はちょうどthe HIATUS世代で、僕が中3のときにエルレは活動休止しているし、リアルタイムで味わったのがthe HIATUSなのだ。

MONOEYESも好きなのだが、ちょっと音がシンプルすぎる気がしてあまり好きになれなかった。

だが、このアルバムは間違いなく最高傑作である。

シンプルながらもエネルギッシュなギターリフに、まっすぐに響いてくる細美さんのボーカル、パンクド直球のそのサウンドには度肝を抜かれた。

これほど情熱と熱意に満ちたMONOEYESのアルバムははじめてだ。

もちろん、今までのMONOEYESに情熱や熱意がなかった訳では無いが、今回のアルバムはギアを一段、いや、一飛ばしに二段や三段、ギアを上げた気がするほどだ。

その秘密は他ならぬ細美武士さんの決意にある。

これはロッキング・オン・ジャパン2025年6月号の細美武士ソロのインタビューである。

自分の三十何年にわたるキャリアの最後の山場になるのがエルレの次のレコードだなと思っていて。もちろんその間にMONOEYESもthe HIATUSもやるし、そこから受けるインスピレーションもいっぱいあるんだけど、その物語も全部、最後エルレのそのレコードに結びつくように活動していきたくて。

(中略)

俺よくこういうことをラジオをとかでもよく言うから「え、細美さんやめちゃうの?」とか「引退されたら寂しいな」みたいなこともよく聞くんだけど。勘違いしないでほしいのは、今みたいにタイトルマッチをずっと続けるのがあと五年ぐらいで。その先はエキシビジョンマッチみたいな、そういうぼんやりとした妄想があって(笑)。今みたいなギアを入れるのは、もうピストンが焼ききれちゃうので、やれてあと五年ぐらいかなみたいな。そっから先はもうちょっとゆったりとした音楽人生にしたい。実際年齢もそうなってくると思うので。その世界にたどり着けるような五年をやんないと行けないなと思ってて。

ご存知のように細美さんは去年の十月に体調不良でライブを延期、また、12月に網膜剥離で緊急手術、こちらのライブも延期になった。

細美さんも52歳になり、さらに2度のライブの延期を経て、思うところがあったのだろう。

エルレの前作「The End of Yesterday」は間違いなく細美さんのキャリアにおける最高傑作だった。

あのアルバムを超える作品を作って、音楽人生を締めくくろうというのである。

なんとも細美さんらしい。

そのELLLEGARDEN最終章の幕開けが「ONE PIECE」のOP主題歌になった「カーマイン」であるのだが、これについて書いていると長くなりすぎるので、あとに回すとして、とにかく、このMONOEYSの新譜こそ細美武士のキャリアの総括の始まりの一枚なのである。

MONOEYESは今年で結成10周年。実は一度だけMONOEYESをライブで見たいことがある。それは2015年のOGA ROCK FESTIVALだった。実はこの週にやっとMONOEYESの1stアルバム「Mirage in the Sun」がリリースされたばかりで、みんなそこまで聴き込めていないであろうに、合唱が起きていたのが印象的だった。

MONOEYESは細美さんが3.11の被災地を周るために結成したバンドであることは有名である。

もともと細美さんは3.11以降、頻繁に被災地に足を運び、弾き語りでパフォーマンスしていたのだが、やっぱりバンドで出たい、そのためにはもっと気軽にツアーができるバンドが必要だ、と感じ結成したのがこのMONOEYESだ。

そのため、ツアーでは必ず石巻、気仙沼を訪れている。

そのバンドが10周年と聞くと、時が経ったなと思いを馳せてしまう。

その十周年にふさわしい素晴らしいアルバムであるし、文句なしのMONOEYESの最高傑作だ。

オープニングをかざる「Let It Burn」から豪快でかつメロディックなリフが地鳴りのようになり、MONOEYESらしいポップなメロディでサビは突き抜ける。これこそメロコアの最高峰である。

昨年、シングルカットされた「Ladybird」はポップな入りからサビで轟音のギターが鳴り響き、一気に景色が変わる。

ベースのスコット作詞作曲・ボーカルの「Adrenaline」は哀愁漂うギターのイントロからして、遊んでるな~という感じ満載で、だけど、メロコアとしてこの上なくパンクでロックで振り切れていながらもかっこいい。MVもふざけていていい。

「The Unforgettables」は昨年、LAでレコーディングしていたときに最後に作った曲であり、旅を振り返る郷愁を感じる一作。イントロのメロディから、細美さんのボーカルから、その旅が素晴らしいものであったことが伝わってくる。

僕はてっきり、「The Unforgettables」で最後だと思っていたのだが、アルバムラストを締めくくるのは「Shadow Boxing」。アコギを基調としたゆったりとしたバラードで、ノスタルジーを感じさせる、なんだか青春の1ページを思い返すかのような美しい一曲だ。

細美武士は音楽活動のラストスパートに入った。これまでのバンド人生を締めくくるべく、これまでの最高を更新するようなアルバムを作るために、日々、自分と格闘している。もう年なのだし、いい加減少しは休んだらどうだろう?と思わなくもないが、これからの5年にすべてがかかっているのだ。それは手を休めるわけにもいかないだろう。ぜひ、MONOEYES、the HIATUS、ELLEGARDEN、すべてのバンドでこれまでの最高到達点を更新して、満足の行く音楽人生にしてほしい。

ZOZOマリンスタジアムにもう一度、エルレで立つと約束してくれた、その言葉を信じて、次こそは現地に行くぞ!という思いで僕も日々、がんばっていきます。

それでも、くれぐれも体にはお気をつけて。

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