2位は星街すいせい!
僕は数年前からVtuberオタクをやっているのですが、推しのアルバムが出ても、「いやー、正直、トップ10に入れるほどじゃないか……」と吟味の結果、ランキングから外していたのですが、このアルバムに関しては自信を持って2位!と言えるほど素晴らしいアルバムとなっております!
まず、何と言っても作曲家陣が豪華!
フジファブリックの山内総一郎さん、ボカロPとして有名なツミキさん、川谷絵音さん、注目を集める若手バンド・PEOPLE 1のボーカル・Deuさん、などなど現代のJ-POPシーンを牽引する錚々たるメンツが勢揃いしています!
もちろん、それを歌いこなす星街すいせいさんの歌唱力も素晴らしい!きらびやかな高音の伸びやかさ、多様なジャンルを横断して歌いこなす表現力、どんな音に対しても負けない存在感を帯びた歌声。まさに唯一無二だと思います。
Vtuberっていってもそんなに歌唱力ってないんじゃないの?と思う方は黙ってこのTHE FIRST TAKEを見てください!冒頭のアカペラから息を呑む歌唱を披露されています。
星街すいせいさんは次世代のポップアイコンになると確信しています。
それを証明するように今年夏、Forbes JAPANのフォーブス30アンダー30を受賞し、表紙を飾っています。
今や小学生もVtuberにハマる時代。
YouTuberの次のカルチャーとしてVtuberは確実に日常に浸透し始めているし、テレビで目にする機会も増えてきました。
今、GoogleのGeminiのCMにChroNoiRやVOLTACTION、ROF-MAO(男性Vtuberグループ。女性からの支持が高い)に起用されていて、まさに令和を象徴するアイコンになりつつあります。
そんな中で星街すいせいさんは日常的にゲーム配信などを行いながらも、音楽活動に力を入れており、今年2月には単独での武道館公演を大成功に収め、名実ともに優れたミュージシャンとして認知されつつあります。
中でも個人的に特筆したいのは彼女のセルフプロデュース能力。
前述した作家陣はすべて彼女自身が選び、制作をお願いしているそうです。
まず、アルバムでここまでのメンツを揃えられることもすごいですが、ここにこの作家を持ってくるんだ!という驚きがありました。
比較的、若い作曲家が多く、J-POPカルチャーで注目され始めている方を選出されている印象があります。
また、アルバム最後の楽曲「綺麗事」はなんとはじめての自身での作詞作曲に挑戦し、これがまた素晴らしい曲に仕上がっています!
綺麗事を吐くその口が嫌いだから歌を歌うんだ
諦めているその顔が君の事を苦しめる
こんな声だって伝わらなくて
もっと完璧な言葉を紡ぎたくて
ずっと欲張って
きっと間違えて
それでも歌おう
不完全だから
https://www.uta-net.com/song/366918/より引用
この曲は星街すいせいさんの実体験がもととなって作られた曲です。
すいせいさんはもともとネットの友達が多く、自分よりも年上の方が多かったのですが、将来の夢の話になったときに、友達が「わたし、本当はこんなことがやりたいんだよね」と言ったそうです。
すいせいさんは「それいいじゃん! 応援するよ!」と返したのですが、友達は「でも、もう齢が齢だからね……」と言ったそうです。
そのことをこの曲を作るときに思い出して、「綺麗事」、つまり、現実を直視して夢を諦めるその口が「嫌いだ」と表現したのです。
そして、その友達に「諦めないでほしい」という思いを込めて、彼女は今日も歌っているのです。
最後の「それでも歌おう 不完全だから」という言葉は、すいせいさんの揺らぎのない信念を表した言葉だと思います。
この歌に答えはありません。それはすいせいさん自身がまだ道半ばだから。
彼女は、夢の道を選んだ自分を肯定し続けるために歌い続けるのです。
Vtuberはまだまだオタクの文化です。
ですが、今後さらにお茶の間に浸透していく可能性を秘めたカルチャーです。
ぜひ、これを期にVtuberというものがどんなものなのか、見て、聴いて、知ってほしいです。
Vtuberの音楽が世界を賑わす、そんな未来がもうすぐそこまで来ています。
