実は長いこと隠していたが、わたしは重度のVtuberオタクである。
ここで一度、Vtuberとはなにか説明しておきたい。
Vtuberとは「ヴァーチャルYouTuber」の略称で、3Dや2Dのキャラクターを用いてYouTube活動をしている活動者の総称である。
この「ヴァーチャルYouTuber」という言葉はVtuberの元祖であるキズナアイが生み出した。
みなさんもテレビなどで一度目にしたことがあるかもしれない。
キズナアイは2016年に活動を開始し、一度、2022年に活動を休止、その後、今年、2025年に活動復帰を報告し、現在はヴァーチャルシンガーとして活動している。
2016年にVtuberというものが生み出されて以降、その文化は発展の一途をたどり、2018年には現在のVtuber事務所の双璧をなす「にじさんじ」「ホロライブ」の一期生がデビュー。
その後、Vtuberは増え続け、100万人を超える超大物YouTuberとなるものも続出している。
そんな中、僕が注目している二人のヴァーチャルシンガーを紹介する。
一人は星街すいせいだ。
この曲を聞いたことはないだろうか?
Vtuberで億超えの再生数を叩き出した彼女の代表曲、「ビビデバ」である。
彼女の魅力は何と言ってもその歌唱力にある。
どこまでも澄んでいて、きれいに伸びてゆく高音、ときにたくましく、ときにシンデレラのように優しくささやきかけてくれる歌声。
彼女は2018年3月に事務所に所属しない、いわばフリーランスの個人勢Vtuberとしてデビューし、その後、2019年5月にVtuber大手事務所のホロライブに移籍。以後、目覚ましい活躍を遂げている。
星街すいせいといえば、あの雑誌、ForbesのForbes JAPAN 30 UNDER 30 2025に選出され、表紙を飾ったことでも話題をさらった。
今や、若者を代表するアイドルとしてその活動の裾野を大きく広げている。
そんな彼女が2023年にあのTHE FIRST TAKEに出演した際の映像をぜひ、騙されたと思って見てほしい。
その歌声に戦慄するはずだ。
ここまで呼んだあなたはもうVtuberとは一過性のオタクコンテンツではなく、すでにわたしたちのごく身近にあり、音楽産業の一翼を担う分野であることがわかるだろう。
星街すいせいは個人勢のデビュー動画から「いつか武道館でライブをしたいです!」と宣言していて、その約束を2025年2月1日、武道館単独公演を実現し、夢を叶えることになる。
もう一人、紹介したいヴァーチャルシンガーがいる。
彼女の名前は花譜。
花に譜面の譜で「カフ」を読む。
彼女は2018年10月にKAMISTUBAKI STUDIOからデビュー。
なんとデビュー当時、彼女は14歳の中学3年生だった。
彼女の歌声を初めて聞いた時、心が震えたのを今でも思い返す。
優しくも儚げで人を包み込むような歌声。だけど、芯の強さがあり、人に何かを訴えかける力がある。
2019年8月にクラウドファンディングを用いて1stワンマンを開催。
2022年にVtuber単独としては史上初の武道館ワンマンライブを開催、大盛況のうちに幕を閉じ、以後も代々木第一体育館、幕張メッセなど近年ではアリーナクラスのライブをワンマンで埋める注目の逸材である。
実は2025年夏アニメとして放映されていた「神椿市建設中。」の森先化歩(もりさき かふ)役として声優デビューもしている。この「神椿氏建設中。」は花譜が所属するKAMITSUBAKI STUDIOが展開するメディアミックスプロジェクトで、森先化歩の見た目は花譜の見た目とそっくりである。
劇中では森先化歩は別世界の花譜として描かれており、パラレルワールドと現実世界がリンクするという試みも話題になった。
また、花譜 4th ONE-MAN LIVE「怪歌」にてヴァーチャルな存在としての花譜と別の活動形態として、花譜本人のリアルな体でパフォーマンスする「廻花(カイカ)」というアーティストが誕生。
この廻花では自身が作詞作曲した曲のみを歌唱し、ヴァーチャルな存在と現実世界での存在。この2つの活動形態に分かれた状態でパフォーマンスするという、これまでの常識を覆すようなプロジェクトも誕生している。
ちなみに、廻花でのパフォーマンス時はステージに立っているわけではなく、別室にいて、その映像にモザイク処理をかけて出力している。
花譜、そして廻花は星街すいせいとはまた違う魅力がある。
星街すいせいは普段から配信なども行い、ゲーム配信もこなす正統派のVtuberであるが、花譜がゲーム配信を行うことは珍しく、歌に活動を特化している。
星街すいせいは時代をリードするヴァーチャルアイドル、方や花譜は次元の壁をも超越して活動するヴァーチャルシンガー。
ぜひ、それぞれのオリジナル曲にふれてこのVtuber音楽という新たなジャンルの音楽に耳を傾けてほしい。
今、時代は変わろうとしている。
星街すいせい最新アルバム「新星目録」の購入はこちらから↓