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書評-「作曲少女2~転調を知って世界が変わる私たちの話~」

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前作「作曲少女~平凡な私が14日間で曲を作れるようになった話~」が好評となり、ついに続編が出た。作曲少女がどういう本なのかというと基本、ライトノベルなのだが、かなり真に迫った音楽理論とそれでいて初心者でも専門用語がわからなくても作曲が覚えられる、まさに誰でも作曲ができるようになってしまうという魔法みたいな本なのだ。

前作は僕も読んでいて非常に驚いた。ここまで専門用語を回避し、それでいて実践的に作曲が学べる本なんて今までなかったからだ。この本では「テクスチャー理論」と呼んでいるが、これは、まず、好きな曲を選んで耳コピし、そのメロディを消して新たなメロディを作り、オケも少しづつ変えていく、という驚きの方法だった。まさに目からうろこだ。

今回はそこから少しステップアップしてスケールの話から入る。また、中級者向けということで実は前回触れなかったダイアトニックコードについても触れるのだが、コードをキャラクターに置き換えて考えることで楽に編曲ができるようになっている。Cなら楽しい顔、Amなら悲しい顔といった具合に。しかし、これだと問題が生じる。肝心のトニック、サブドミナント、ドミナントに触れていないので、ドミナントからサブドミナントに行ってしまう可能性がある。しかし、実を言うとGからFの進行はけっこう行われていたりする。ブルースなんかはそれで普通だし、その影響でロックも結構よく出てくる。そもそも、この本は「気持ちよく聞こえたらそれでオッケー」というスタンスをとっているので、気持ち悪ければ変えてしまえばいい。この辺でつまづく人が多いため、説明がうまいと感じた。

また、この本の著者、「仰木日向」さんはストーリーにも手を抜いておらず、この本で「創作とは何か?」という根源にまつわる話をしようとしている。そのために出てきたキャラクターが新キャラの後輩、「美空うぐいす」ちゃんだ。この子は自分の好きなものが見つからず、やりたいこともなく、周りに流されて生きてきた。だけど、主人公の山波いろはの曲を聴いて、自分も作曲ができるようになりたい、これだったら自分を表現できるかもしれない、と思い、いろはの設立した作曲同好会に入ることになる。

前作ではまずはじめにやったことは、机の周りを自分の好きなものでかためる、ということだった。作曲において重要なことは、これが好きだ!という思いであり、それを再確認するために好きなものを飾るのだが、まず、うぐいすはここでつまづいてしまう。自分の好きなものって何だろう?となってしまうのだ。

この辺の話がけっこう根が深いというか、本当にうぐいすは自分の「好き」が見つけられないキャラとして描かれていて、そういう冷めた自分に落胆している。しかし、現役女子高生作曲家の珠ちゃんが「創作は自分の思いを形にしたい、という気持ちだけあればいい」と言って、たとえ好きなものがなくても、自分の気持ちを形にしようとする姿勢が大切なんだ、と伝授する。これはどの創作活動でもいえることだろう。

そして三人で自作曲を作り、学校の中庭でライブをするのだ。

ストーリーとしては基本的にサクセスストーリーで、「けいおん!」っぽいとも言えるのだが、一つ一つの悩みに対してしっかりと悩みぬく姿勢が評価できる。

これは「作詞少女」でも同じことで、この「作詞少女」は「作詞は誰でもできると思っている人が多いため、あえてこんなに難しいということを表現したかった」と著者が言っているが、これが本当に名作なのだ。最後に教えられる作詞の極意には創作の目指すべき場所が描かれている。仰木日向の神髄は「作詞少女」において遺憾なく発揮されている。しかし、人によっては劇薬になるので、注意!

作曲少女1巻と2巻を読めば今からでも作曲が始められる。それも、簡単な編曲までできるようになる。まさに魔法のメソッドだ。理解するまでには多少時間がかかるかもしれないが、作曲をやってみたい!という方は入門にぜひ。

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