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ディスクレビュー-小袋成彬「Piercing」

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宇多田ヒカルに「不世出の天才」と言わしめ、宇多田ヒカル全面プロデュースのもとデビューした小袋成彬。デビュー作「分離派の夏」はジャケットもかっこいいし、最初のトラックがボイスメモの語りで始まるところもおもしろくて、サウンドも革新的、なにより小袋のファルセットボイスが空間を豊かに彩り、ソリッドなサウンドでありながらも自由で広がりのあるアルバムとなった前作。

今作はセルフプロデュースに挑んだ意欲作だ。小袋のトラックはチルポップとしての側面が強いのだが、前作よりもシンセの割合が強まり、さらにビートも強化されている。控えめに鳴らされるTR-808がなんとも心地いいビートを利かせている。チルポップでありながらさらに踊れるトラックになっているのだ。ファルセットボイスは健在でさらに多重的にコーラスを重ねることにより、ゴスペルとしての側面も強まっている。ゲストにラッパーを呼んだりしているあたり、隠れテーマとしてゴスペルを設定したのかもしれない。また自身でもラップを披露しており、小袋のビートになってしまうあたりがなんとも彼らしいというか、やはりラップはどこを強拍として設定するのか、個々人で変わるところが面白い。

彼のメロディは実は非常にフォークっぽい。山下達郎に似たところがあるような気がする。多重コーラスの影響もあると思うのだが、高音のファルセットに隠れて見えないがメロディは実にポップで、語りかけるような歌詞。まさにフォークだ。だから意外と全世代にいいと思ってもらえるアルバムではないかと思う。

やはり小袋のファルセットは絶品だ。優しくて柔らかい毛布に包まれている感じがする。それが多重コーラスとなるのだから音楽的快感は非常に大きい。それもわかりやすく気持ちいいのがいい。普通、ファルセットはここぞ!というときに使うものだが、彼はずっとファルセットのままだ。King Gnuもしかり、ファルセットには人を引き付ける何かがあるらしい。

このアルバムはとにかくリラックスできるときに聴くのがいい。一日の終わりにお酒でも飲むのが一番だ。今晩の晩酌のお供にいかがだろうか?


Nariaki Obukuro – Gaia (Outro)

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