私的アルバムトップ10、4位はアニソンシンガーから国民的歌姫となったLiSAのニューアルバム!
ここには「紅蓮華」以降の曲が収められています。
ロックヒロインとして一層自由に飛躍する彼女の歌声が楽しめる一枚です!
“LiSA”の呪縛から解き放たれて自由に飛躍するロックヒロイン
初期のLiSAのライブといえば、とにかく飛び跳ね、すべてのエネルギーをパフォーマンスにつぎ込み、声が枯れ果てるまで歌いつくす、そんなある種の刹那性をはらんでいました。
そして、30歳を超え、そのパフォーマンスができなくなり、公演をキャンセル。これが彼女にとっての大きな挫折となり生まれた曲が「紅蓮華」。自分の弱さを認めながらも、その弱さと向き合い、戦い続けていく覚悟を歌っています。
今までのような全速力のライブはできない、それは翼を折られたようなショックだったでしょう。でも、そこから体力づくり、そしてライブの在り方を見つめなおし、どう自分があるべきか?考え抜いた先に「炎」という曲が生まれました。
炎はもちろん、鬼滅の刃「無限列車編」の主題歌でありながら、彼女の決意を歌った歌です。
振り返らずに進むから
前だけ向いて進むから
心に炎をともして 遠い未来まで
LiSA「炎」
今までの自分を置いていき、”これから”の自分として進んでいく決意がそこににじんでいます。
そして、このアルバムの一曲目に置かれた「往け」。
この曲が大きなターニングポイントとなりました。
昔から弱虫のくせに 気づかないふりをしてきたね
「辛くない」
大事だって守りながら いつも「大丈夫」って笑いながら
「変わりたい」と泣いていた
「ごめんね」ってやっと聞こえない残響になった
時を追い越してもうそこにはいないの私
「置いていけ!」そうね
思い出に浸ることもないほど 今に夢中
LiSA「往け」
過去の弱かった自分を置いてゆき、今ある自分を精一杯、生きる。
その決意がこの歌詞に非常によく表れています。
そして、このアルバムはとても色彩豊かな、概念にとらわれない自由さがあります。
「シフクノトキ」ではゆったりとした休日を描き、「一斉ノ喝采」ではこれぞLiSAの真骨頂!といえるようなシンガロング系のロックナンバー、「HADASHi NO STEP」ではミドルテンポの前向きになれる、リスナーに寄り添うような曲。
そして、一番注目すべきは、一番最後に置かれた「NEW ME」です。
startline startline
いつだってその足元だよ
上じゃない そっちじゃない
前へ!あの夢も追い越して
(中略)
GOOD LUCK GOOD LUCK
さあ、行こう 未来”NEW ME”に会いに行こう
LiSA「NEW ME」
“今ここ”が常にスタートラインで、そこから踏み出していけばいい。
それは”LiSA”という偶像に縛られていたLiSAはもういなくて、弱い自分を認め、それでも進む覚悟を持ち、今生きていることを楽しみながら、軽やかにステップを踏むように未来へと進む、彼女の姿があります。
今のLiSAはどこまでも自由です。何に縛られることもなく、さらに上へ、僕たちを連れて行ってくれるでしょう。