5位はミセス!
活動休止、バンドメンバー脱退を乗り越えて国民的バンドへ
もはやミセスといえば誰もが知っている国民的バンド!
そのきっかけとなったのはめざまし8のテーマソングに抜擢された「ダンスホール」のヒットです。
これが活動再開後初のシングルとなり、ポップなメロディとキャッチーな曲調から大ヒットを飛ばしました。
しかし、そこまでの道のりは長かったのです…。
2020年にミセスは人気絶頂の最中、活動休止を発表します。
ミセスはそれまでほぼ一年に一枚のアルバムをリリースし続け、ライブもどんどん規模を拡大させてきました。
しかし、それに伴う痛みは大きく、ストイックになりすぎた結果、パンク寸前となり、活動休止となったのです。
ミセスは活動休止を”フェーズ1終了”と呼んでおり、ここからフェーズ2を始めると発表していました。
そして、フェーズ2ではさらにパワーアップするためにダンサーやパフォーマーを募集していました。
おそらくこの方向転換がメンバー脱退に繋がったのではないかと推測されます。
長くともに活動してきたメンバーとの別れ、そして、バンドとして不完全な3人だけになってしまったこと。
これはとてもショックなことだったと思います。
しかし、そこからの「ダンスホール」のリリースははじまりの鐘の音のように振り切れた堂々とした活動再開でした。
そこから、ワンピースフィルムREDに提供した「私は最強」を始め、話題曲と次々とリリースし、ライブの規模もアリーナからドームへと拡大していきます。
大きな困難をともに乗り越えたからこそ、バンド内の結束が高まり、こうして国民的バンドになれたのだと思います。
明るいエナジーと心の暗闇、両面を持つアルバム
本作は冒頭の「ANTENNA」「Magic」からパワー全開のアンセムとなっており、さらにパワーアップしたミセスの実力を垣間見ることができます。
しかし、そうした明るい曲の中でも異彩を放っているのが「Lonelines」「BFF」の2曲。
特に「Loneliness」は「死にたい今日も仕方がないでしょう」という歌詞から始まる心の暗闇をそのまま形にしたような曲です。
これはミセスが単なるポップバンドではないことの証明だと思います。
本当に10代のリスナーと真剣に向き合っていなければ出てこない歌詞。
10代のどうしようもない、息苦しいもどかしさを表現したかったのだと思います。
この曲に救われた人は多いでしょう。
変わって「BFF」はギター、ボーカル、ピアノによる3人だけでのセッション。
3人だけのセッションはどうしてもやりたかったのだとボーカルの大森元貴さんは語っています。
歌詞もまるでメンバーに語りかけるかのような、活動休止・メンバー脱退を乗り越えて、ここまでついてきてくれたことに感謝する内容となっています。
とても個人的な歌ですが、素晴らしい歌です。
このようにミセスはただのポップバンドではなく、リスナーと真摯に向き合うロックバンドなのです。
3回転調し、最終的に+6まで到達する「ケセラセラ」
困難なことがあってもきっとなんとかなると背中を押してくれる曲「ケセラセラ」。
ハイトーンのボーカルとゴスペルのような曲調が印象的ですが、なんとこの曲、3回も転調するんです!
最初、歌い出しのサビが原キーです。
そのあと、1番のサビで+2になります。
さらに、2番のサビで+4、ラスサビでダメ押しの+6の転調になり、もはや大森さん以外には歌えないんじゃないかと思うほど。
なぜこういう構成になったのかはわかりませんが、この転調がなければこの曲はここまでヒットしなかったでしょう。
大森さんの圧倒的歌唱力を堪能できる一曲です。
ミセスは活動休止・メンバーの脱退を経験しながらも3人で結束を高め、その結果、国民的バンドの座を手にしました。これからどんなミラクルを見せてくれるのか、楽しみです!