第2位の発表です!
1月にリリースされたヨルシカの「創作」!
こちらは去年8月にリリースされた「盗作」のもう一つの側面を描いたアナザーストーリーとなっています。
「盗作」と「創作」の関連性についてはこちらの記事について詳しく書いているので、ぜひ、読んでみてください。
今回は、「創作」リリース後のヨルシカのライブ活動についてお話ししたいと思います。
ヨルシカの活動すべてが一つのストーリーとしてつながっていく
今年の1月にヨルシカは配信限定ライブ「前世」を開催しました。
こちら、僕もリアルタイムで見たのですが、なんと、水族館でライブをするという斬新な発想。
しかし、これが実にヨルシカ的な演出で「ノーチラス」の世界観をそのまま表現したような、まるで海底世界でライブをしているような感覚でした。
そして、このライブでは今までのヨルシカヒットソング「だから僕は音楽をやめた」「ただ君に晴れ」「心に穴が空いた」なども披露されました。
ライブ開催前は、やはり「盗作」のストーリーに沿ったものになるのかと思いきや、エイミーとエルマの曲たちも同じように披露されました。
そして、これらの違う物語から生まれた曲たちが見事に一つの物語として、つながっていくような感覚を得ました。
実はエルマの手記により、「だから僕は音楽を辞めた」以前の2枚のEPに収録されていた「爆弾魔」「夏草が邪魔をする」「雲と幽霊」なども、エイミーが書き、それをエルマが受け継いで歌ったものであることが明言されました。
このようにヨルシカのすべての楽曲はどこかで伏線が回収されるようになっています。
また、今年秋に行われた全国ツアー「盗作」では、「生まれ変わり」というタイトルの小冊子が配布され、これに沿ってポエトリーリーディングが行われたそうです。
この「生まれ変わり」のストーリーはエイミーの話にも思えるし、盗作の主人公の奥さんの話とも思えるものだったようです。
そして、終盤に披露されたのが、「雲と幽霊」。
ヨルシカ最初期の曲ですが、改めて聞いてみると、これはやはりエルマの物語であり、盗作の物語であると言えます。
この幽霊はエイミーに思えるし、盗作の主人公の奥さんのようにも思えます。
このようにヨルシカというプロジェクトはすべてがつながっているのです。
ふとした瞬間に、さまざまなストーリーが交錯する、ヨルシカというユニットそのものがコンセプトアートなのです。
今年は「又三郎」「老人と海」「月に吠える」の文学作品をモチーフとした3作のシングルがリリースされましたが、これらの作品も同じようにヨルシカという一つのコンセプトに必然的に結びついていくのでしょう。
そして、ヨルシカが終わらない限り、一つ一つの物語は複雑に交錯し、新たな物語として結実し、世界は拡張され続けるでしょう。
そして、それこそがヨルシカの目指す、コンセプトアートなのです。