昨年の12月末を持って、僕が長年プレイしてきた「Fate/Grand Order」(通称FGO)が10周年の節目を持って完結しました。
今日はその感想について、ネタバレ一切無しで振り返ってみたいと思います。
僕はもともとFateシリーズが大好きで、型月ファンでもあったので主な作品はほとんどプレイしてきました。
そんなTYPE-MOONがスマホゲーを出すと聞いたのが2014年。当時はノベルゲームの大手であるTYPE-MOONがスマホゲーにどうやって進出するんだろう? うまくいくんだろうか? という不安もありました。
実際にリリースされたのが2015年8月。
当時はスマホゲーはまだ歴史が浅く、正直、あそこまでキャラクターが動くとは思ってなかったので驚きました。宝具演出とか最初は感動しましたよね。
FGOはコマンドゲーなので操作も簡単で、最初は割といいスタートが切れたのですが……。
まず、アイテムのドロップ率が異常に低い。
そして、みんな記憶しているであろう悪夢のハロウィンイベント……。
あまりのアクセス集中にサーバーが耐えきれず、延々、メンテが行われるという……。
今思えば、あれだけのゲームを当時のスペックのスマホでやるにはだいぶ負荷がかかったはず。
もちろん、サーバー側の管理も大変です。
運営も頑張っていたとは思うのですが、なかば長期メンテがネタになり始め、安定しないゲームとして有名になるほどでした。
運営側の努力もあり、徐々に回線は安定し、定期的にイベントも行われるようになり、6章・7章の延期などもありつつ、FGO第一部は2016年末をもって完結します。
僕もあのレイドイベントはリアルタイムで味わっていました。
あのときの感動はいまでも色濃く残っていますね。
年末にクリスマスケーキを前に充電器に張り付いて頑張ってたのを思い出します。
その後、物語は1.5部を経て、第2部の制作が決定します。
このあたりで僕は一回辞めちゃうんですね。
正直、FGOは周回がめんどくさくて、かなり時間を持っていかれるんです。
その生活を持っていかれる感じが嫌で、まあ、第1部も完結したし、ここが潮時かな、と思ってやめました。
それから長い間FGOは触ってもいなかったし、なんなら一回データは消しました。
もうプレイしたくなかったので。
ところが、2024年になって、そろそろ第2部が完結するらしい、と話に聞いたのです。
しかも、2部の6章がけっこう面白かったらしいと。
どうやら奈須きのこが執筆したらしく、それはちょっとファンとしては見過ごせないな、と。
TYPE-MOONファンとしてFGO2部をクリアせずに生涯を終えるのはとてももったいないことなんじゃないかと思って、再びプレイし始めました。
ちなみに、データは一度消してるので初めからやり直しです。
1部からちゃんと進めました。
2025年3月にはようやっと奏章3章まで追いつき、奏章4章からはリアルタイムで追いかけました。
グランドも育成し、万全の状態で第2部終章を迎えました。
僕は12月28日にすべてのストーリーを読み終えたのですが、正直、涙が止まらなくて、ボロボロの状態でラストを読み終えました。
その感動はいまでも胸に焼き付いています。
全マスターと協力して世界樹を伐採し、挑んだラストバトル……。
たった2年しかプレイしてませんが、各章の重要人物がサポートに加わり、胸熱な展開でした。
第2部はマスターとカルデアはさまざまなものを犠牲にして戦ってきました。
命を奪い、歴史を剥奪し、未来を掠め取っていった。
2部は1部と違って正義の物語ではありません。
見ようによっては”悪”とも取れることをカルデアは行ってきました。
自分たちの人類史を取り戻すために、これは必要な犠牲だからと言い訳をして。
終章を読みながら、僕は「空の境界」の蒼崎橙子さんの言葉を思い出していました。
橙子さんは空の境界・第一章・俯瞰風景にて、敵役である巫条霧絵に最後にこう言い残します。
「我々は背負った罪によって道を選ぶのではなく、選んだ道で罪を背負うべきだからだ」
これはカルデアにも当てはまる言葉だと思います。
カルデアは明確に”罪”を犯してきました。
それは人類決裁法廷でも言及されてきたことです。
でも、罪の意識で道を選ぶのなら、同情で異聞帯を生かす道を選んでいたとしたら、汎人類史は決して取り戻せなかった。
異聞帯を捨て、多くの命を犠牲にしてきたからこそ、カルデアは選んだ道で正解にするために、決して振り返ることなく、南極へとたどり着きました。
しかし、主人公は本当にただの凡人です。運が良かっただけの、本当に平凡な一般市民です。
残酷な選択を迫られ、彼(彼女)は苦悩します。
このまま進んでいいのか、今すぐ引き返すべきなんじゃないか……。
でも、その葛藤を乗り越え、主人公は立ち向かいます。
迷いを振り払って、今まで手にかけてきた命の重さに震えながら、自分たちの未来を掴み取ろうとしたのです。
第2部終章は混迷を極める現代において、非常にメッセージ性の高い物語となりました。
アメリカではトランプ政権が差別と分断を推し進め、未だにウクライナとロシアは戦争中で、各地で紛争が発生しています。
日本も例外ではありません。悪化する日中関係に右翼化していく政府。
世界は戦争と分断と差別の呪いを拭いきれないまま、時間だけが過ぎていきます。
そうした醜い人類を消し去るために、地球の白紙化は行われました。
何千年経っても少しも成長せず、同じ歴史を繰り返している人類に粛清を与えたわけです。
でも、これは間違っているのです。
人間は間違え続けます。
戦争も差別もなくなりはしなかった。これからだってきっと完全に世界から消えることはない。
加速する地球温暖化と環境破壊を見れば、人類が破滅に向かっていることは誰の目にも明らかです。
でも、人類は間違いから学び、道を正すことができます。
人類史とはそういうものでした。
人間は失敗し続け、そのかわりに知恵を身に着け、同じ過ちを繰り返さぬよう、日々、努力を重ねています。
どれだけ小さな成長だろうと、それは価値のあることです。
戦争と差別を根絶するために、人類は今日も一歩ずつ歩んでいるのです。
環境問題も、カーボンニュートラルを掲げ、わたしたちの身近なところでも問題解決に向けた取り組みが始まっています。
人類は”悪”である、というのは容易い。
だけど、その言葉は結果だけを見て、過程を見ていません。
これまでに人類史がどれだけ成長を遂げてきたのか、そして、今も歩みを止めず、進み続けているのか、その歴史を見ていません。
わたしたちはこれからもたくさんの罪を犯すでしょう。
多くの命が無慈悲に奪われ、貧困と差別に人々は涙するでしょう。
でも、僕達には考える頭脳がある。
やり直しはできなくても、前に進むことはできる。
FGOの主人公が数々の異聞帯を捨ててきたように、わたしたちも歴史という罪を背負いながら、それでもより良い明日へと手を伸ばす。
その歩みこそ、人類史と呼ぶべきなのではないでしょうか?
わたしたちは選んだ道を正しくするために、生き続けなければならないのです。
先日、メインストーリーが更新され、これからもしばらくはFGOが続いていくことが確定しましたね。
10周年で終わらず、次は15周年を目指して、マスター同士、力を合わせて、ともに伴走していきましょう!
それは置いておいて、はやく月姫後編とEXTRAリメイクは進めてほしいですね。
きのこ仕事しろ。
