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[DTMレビュー]Steinberg UR22Cを手に入れた!Focusrite Scarlet Solo G2と比較!

2019年に32bit整数という本来ありえなかった音質をたった¥17,000で実現し、話題をかっさらったオーディオインターフェース、UR22C。

コロナ禍でDTM需要が高まり、現在も品薄が続いているこの商品ですが、先日、楽器屋さんに行ったところ、最後の一個を見つけ、さっそく買ってきました。

今回は今までつかっていたScarlet Solo G2(現行モデルはG3です)と音質比較をして32bit整数という数値がどれほどのものなのか、検証してみたいと思います!

UR22C外観

フロント

さて、まずはUR22Cからの外観から見ていきましょう。

まず、目を引くのはアルミ筐体だということ。ずっしり重いです。でもこれ、すごくメリットがあって、僕も昔、UR22を使ってたんですが、重いほうがプラグを差しやすいんです。Scarletは軽すぎて差すときに本体をおさえないといけませんでした。かといって持ち運びには不便にはならず。さすがの采配。

UR22Cは2in2outの仕様です。

マイクプリD-PREを使用したマイク・ライン入力が2機。一機はHI-Zというライン入力用にインピーダンスを変える機能がついています。

それから、Steinberg製品はみんなついてるんですが、InputとDAWの出力を混ぜ合わせるつまみがついています。これはInputに振り切ると楽器入力のみが聞こえ、DAWに振り切るとDAWの音のみがアウトプットされます。中間にすると、楽器入力とDAWの音がちょうどよく混ざり、ゼロレイテンシーの音(エフェクトはかかってない)を聞きながら録音できるので、ボーカル録りなどには重宝するでしょう。

それから、これも便利なんですが、ヘッドフォン出力とメインアウトの音量つまみが別々になっています

これ非常に役に立ってて、基本的にヘッドフォンとスピーカーだと音量が圧倒的に違います。これを分離させることでちょうどいいモニタリングができるのです。

背面を見ましょう。

バック

右端にメインアウトがフォーン出力としてあります。

その左にはこれも地味に便利なMIDI INとMIDI OUTが。ハードウェアを持っている人は、最近のオーディオインターフェースにはMIDI入出力がないと困っている人も多いのではないでしょうか。URCシリーズなら大丈夫!

コンデンサマイクのファントム電源オンオフは裏についてますね。うっかり押さないようにとの配慮でしょう。

そして、特徴的なのが、URCシリーズはUSB type-C接続だということ。でも、安心してください。USB-CからUSB-B(普通のよく見る表裏があるUSB)に変換する端子が付属しています。記載されている通り、USB3.0であれば動作するのでよほど古い機種でない限り大丈夫です!

そして、その下には5V DCという表記でmicro USB端子が。実はURCシリーズはIPadなどのタブレットにも対応していて、そのときの電源駆動のためにmicro USBがついているのです。タブレットと接続するときには、スマホ用のモバイルバッテリーがあればいいってことですね!

それから、付属のソフトウェアとしてDSPで駆動するプラグインがついてきます。

UR-Cソフトウェアの画面

こんな感じ。ループバックもついてるので配信者も安心!

チャンネルストリップ

これがチャンネルストリップ。コンプとEQをかけ録りすることができます。モニターだけにエフェクトをかけることもできます。UR-Cソフトの画面からFX RECを押すとかけ録りに、押さないとモニターだけにかかります。

もちろん、DSPなのでゼロレイテンシーです!

ギター用のアンプシュミレーターもあります。

LEAD用音色のアンプシュミレーター

こちらはLEAD音色のアンプシュミレーター。なんともシンプルな画面。これくらいシンプルなほうが録音時は使いやすいですよね。もちろん、モニターだけにかけて、あとでDAWにいつも使っているアンプシュミレーターを使えば、音作りが自由に、しかも、録音はゼロレイテンシーとなります。ギター録音はシビアにレイテンシーを食らうので便利ですよね。

センド用リバーブ

こちらはセンド用のリバーブ。なんかかっこいいですね!ホールやルーム、チャーチなどプリセットも充実してます。こちらもなんとゼロレイテンシー!リバーブって結構、レイテンシー食いますよね。

と、こんな感じでDSP駆動なのでゼロレイテンシーで録れるのがなんといっても最大の魅力!ここはUADのApolloを意識したのでしょう。僕も今度RECで使ってみようと思います!

Scarlet Solo G2外観

では比較するScarlet Solo G2の外観です。

Scarlet Solo G2フロント

こちらも2in2outですが、キャノン入力が一機とライン録音に対応したフォーン入力の2機で、どちらもモノラルのみです。UR22Cは二つともステレオですので大きな違いですね。その分、Soloは値段が安くなってます。¥11,000くらいでしょうか。現行モデルはG3ですので、一世代前のものです。

モニターも大きなノブが一つだけとなんともシンプルで思い切った構造。一応、ダイレクトモニタリングはできるんですが、あまり使いませんでした。

Scarlet Solo G2バック

こちらもなんともシンプル。アウトはRCAピンなので注意してください。

MIDI端子はありません。

USBは2.0です。(あくまでG2の場合)

ScarletにはDSPはついてません。そう考えるとすごくUR22Cのコスパいいですね。あのソフト無料ですからね。

モニター音の感想

次は音源を鳴らしたときのモニター音について解説したいと思います。実はこの両者、極端に方向性が違います。

UR22Cの場合

非常に低音と中音域が豊かで、ずっしりとした音が出ます。ヒップホップなどを聞くと非常にいい低音が出て気持ちいいです。どちらかというとパンチのある音

これは実はSteinberg製品に共通して言えることで、UR22も低域が強かった記憶があります。

解像度に関しては、DAWを僕は48Kの32bit floatで使っているのですが正直、あまり違いがわかりませんでした。さっき言ったように低域が豊かになったぐらい。

モニターの出力は32bit整数に上がっているはずですが、24bitと32bitではモニター音ではそんなに差がないように思います

Scarlet Solo G2の場合

非常にきらびやかな高域が特徴で、全体的に明るく綺麗な出音です。低音はあまり出ません。まさにUR22Cと対極。

U22Cはそんなに高域が出ないんですよね。Scarletはぎらついて聞こえる時があるほど強化されます。

この辺は好みでしょう。僕はUR22Cの方が好みです。

[音質比較]UR22C vs Scarlet Solo G2

それでは録音した音源を聞いてみましょう。

DAWの環境設定は48Kの32bitで合わせ、書き出しのときに聞きやすいように44.1Kの16bitに落としてあります。

また、音量差がないよう、-3dbでノーマライズしています。

録音したのはエレアコ。ライン入力で録音しています。

なお、演奏が大変下手ですが、目をつむっていただけると幸いです…。

まずはScarlet Solo G2。

Scarlet Solo G2でライン録音したアコギ

すごく高域が強く出ていてぎらついた音をしてます。ちょっと強すぎるかな、と僕は感じます。まあ、これは弾き方もありますが…。

続いてUR22C。ここで聴いてもらいたいのはその空気感です。

UR22Cでライン録音したアコギ

どうですか。あまり変わらないという人もいるでしょう。でも、よく聞いてみてください。UR22Cの方がルーム感というか奥行きを感じませんか?

これ録った後で「マイクで録音すればよかった!」と後悔しました。そのほうがこの空気感が伝わったでしょうから。あと、単純にエレアコのマイクの性能でも変わりますからね。これ4万円のエレアコなんであんまり音がよくないんです。

でも、サウンドホールの中で反響している感じ、伝わるんじゃないでしょうか?

まとめ

やっぱり32bitは解像度が違うと思います。圧倒的に違うというわけではないですが、僕もエレキをライン録音してみて、「あれ? なんか音圧上がった?」という感じがしています。

bit数が増えると解像度が上がって空気感、反響音、つまり、スタジオで録っていればそのスタジオの反響特性が録音に反映されます

これはいい場合も悪い場合もあるでしょう。きちんと施工されてるスタジオならきっといい反響音がして、特にドラムのルームマイクなんかは想像以上に目の前で鳴っている感じがするはずです。

しかし、反響特性の悪いスタジオで録るとその影響が録音に出てしまいます。これはちょっとマイナスかも。

とはいえ、解像度が上がるということはそれだけ表現のダイナミクスが大きくなるということ。(だから、余計に下手に聞こえる…。)

録音していて、ストロークひとつとっても違う感じがしました。これはいい影響ですよね。

現在、UR22C含め、すべてのオーディオインタフェースが品薄になっております。どうやら半導体部品をつくる工場が火災にあって生産できない、とかいう情報を楽器屋の店員さんから聞きましたが、真偽のほどは定かではないです。

でも、現状、品薄なのは確かなので、UR22Cが欲しければ、入荷したタイミングで、あるいは事前に予約を取って購入されることをお勧めします。

https://tokiha-music.com/wordpress-lowprice/