9位はもはやヒップホップ界の革命児にして頂点!
ケンドリック・ラマーの新譜です。
全く新しいジャズ+ヒップホップ
このアルバムは今までのヒップホップの概念を根本から覆しました。
ヒップホップといえば、低音のベースにドープでダークなトラックにラップを乗せるのが基本。
しかし、この作品ではジャズとヒップホップの融合がなされています。
同じ黒人音楽ではありますが、ビートもグルーヴもまるで違うこの2つを見事に融合して見せているのです。
トラックはおしゃれなピアノやギターで構成され、けっして力強くはないものの、ケンドリック・ラマーのフローにより見事に強靭なグルーヴをなしているのです。
ケンドリック・ラマーのラップはメッセージ性もあることながら、メロディアスでかつ言葉の一つ一つに突き刺すようなグルーヴを感じます。
言葉の一つ一つをひたすら研ぎ澄まして刃にして投擲しているかのような…。
ラップ単体でもビートを構築できるほどに卓越した技術があるのです。
また、ゴスペルがフューチャーされているのも特徴ですね。
これも黒人音楽からの引用です。
最近のヒップホップは808ベースという超低音のベースとキックとスネアとハイハットのみ、というビートのみのトラックが多く、ここまでコードやアレンジにこだわったトラックというのはほかにはないです。
808ベースに代表される”トラップ”が普及してから、ずっと同じようなトラックがチャートに並んでいるのが現実です。
僕も、正直、同じような曲ばかりで飽きていたところでした。
そこに、革命児たるケンドリック・ラマーがメスを入れたのです。
ここには全く新しいトラック、ヒップホップの世界が広がっています。
これからヒップホップは大きな舵取りを迫られるでしょう。
なぜなら、ここまで新しく、画期的で最高の作品ができたのですから。
ケンドリック・ラマーは何度もグラミー主要四部門にノミネートされていますが、いまだに受賞できていません。今度こそ、取ってもらいたいものです。
これからのヒップホップの未来が楽しくなる、そんなアルバムです。