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「あきた音楽の祭典」に行ってきた! 秋田の学生ピアニストはやばい! 初心者にしか出せない音がある

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2021年1月16日(土)、17日(日)に行われた無料コンサート「あきた音楽の祭典」に行ってきました!

これは文化でコロナ禍の生活を元気づけようと全国で企画されたもので、音楽以外にも演劇、舞踊、伝統芸能などさまざまな分野でイベントが企画されています。

詳しくは「Japan Live Yell Project」のHPを。アーカイブ映像も見れるそうなので、家でも楽しめます。

この「あきた音楽の祭典」は主に学生、小学生から大学生のアマチュア音楽家を呼んで、若い力でエネルギーを届けようと企画されたものです。参加無料だったので、気晴らしに行ったのですが、そのあまりの熱量と技量の高さに驚かされてしまいました。

小学生低学年の男の子が弾く圧巻のパイプオルガン

まず、最初に出てきたのは小学校低学年くらいの男の子。その子がなんと、会場自慢のパイプオルガンの席について、「えっ?足届くの?」みたいな不安な感じで始まったのですが、見事なバッハのトッカータとフーガを演奏して見せ、度肝を抜かせました。

パイプオルガンって鍵盤が三つあって足にも鍵盤があるんです。だからフルに体を使わなければ弾けない。

でも、その小さな体から繰り出される音は力強く、まさにバッハ!と呼べるものでした。

バッハの曲って難しいんです。細かなフレーズが連続して配置されているのでプロでも大変なんです。

しかし、会場は満場の拍手で満たされました!

実は、会場のアトリオンでは毎年、オルガン養成講座が開かれ、学生でも参加できるそうなんです。パイプオルガンの演奏はその男の子と、高校生の男の子と、大学生の女の子の3人。どれもしっかりとバッハをどう弾けばいいかわかっている、立派な演奏者でした。

ひらすら純粋無垢な音が会場全体を包む、初心者だからこそ出せる音

しかし、もっとすごいのはピアノ部門です。

このイベントでは秋田県大会の受賞者が演奏したのですが、小学校低学年、小学校中学年、小学校高学年、中学生、高校生、大学生一般の部とそれぞれの部門の優勝者が演奏しました。

まず、低学年の女の子。ここからすごかった!足にペダルが届かないんでペダルのない曲を弾いたんですが、一音目から、「このピアノってこんなに純粋無垢な音が出るんだ!」って驚かされました。

アトリオン常設のピアノはそれこそ清塚信也さんとか、反田恭平さんとか有名な方も弾いてらっしゃいます。だけど、もう一音目から「なんて純粋で透明で穢れがないんだ!」って感動してしまって。

中学年の女の子はなんとショパンのワルツ「遺作」なんていう難曲をいとも簡単に弾いてしましました。さらにシベリウスのピアノ曲という、もう完全に現代曲な難解な曲もすらすらと…

ここでもう秋田のピアニスト、というか、全国そうなのかもしれませんが、いかにこの子たちが死にもの狂いで練習をしてきたか、厳しい練習に耐えてきたかがわかりました。でも、みんな楽しそうに弾くんです。難しい曲も、自分のものにしてしまうんです。

普通、ショパンを弾こうって思ったら、かっこつけたくなりません? だってあのショパンの、しかも「遺作」ですよ? 表現豊かに、とかダイナミクスをつけて、とかいろいろ考えちゃうじゃないですか。

でもこの子たちにはそれがないんです。そういう邪心は一切ない。だからここまで純真無垢に、ただ演奏することを楽しめるんです。

その次は高学年の女の子。バッハのシンフォニアという難解な曲とシャブリエというマイナーな作家の曲だったんですが、どっちも超難しいんです。ほとんど超絶技巧に入りますよ。

才能の原石を発見!彼女は世界に行くぞ!

でも、その上がいました。それは中学生の部優勝、そして、このコンクール全体(つまり大学生一般も含め)の優勝者に輝いた「杉原 愛子」さんというピアニスト

僕はもうファンになったので名前覚えました(笑)

で、彼女のなにがすごいか。

一曲目にリストの曲を持ってきました。さっき、超絶技巧みたいって話をしましたが、リストの曲なんてまさに超絶技巧のオンパレードで、指の残像しか見えなくなります。それくらい早いです。

まず、一音目から彼女の世界に引き込まれていくんですね。もう自分の音、個性というものを持っているんです。

プロのピアニストに何が必要かって言うと、譜面通りにひくのはアマチュアでもできます。でも、「この人の音じゃなきゃダメ」っていう理由が必要なんです。

その答えが、「個性」。あるいは「表現力」

彼女はこの2つを完全にものにしていました。最初は穏やかにはじまり、徐々にボルテージが高まり、フォルテッシモで炸裂する超絶技巧!

僕は本気で思いました。「あるならCDほしい! アルデリッチより愛子さんのほうがずっといい!」と。

一応、僕はクラシックオタクですし、もちろん、マルタ・アルゲリッチの演奏の素晴らしさは知ってますよ。で、実際に比べてみたらもちろんアルゲリッチの方が当たり前だけど上なわけです。

だけど、ライブっていうのは特別な空間なんです。

僕は山形フィルの第九を聴いた時に痛感しました。

最初は「山形フィルかぁー、せめて仙台フィルにしてほしかったな」とか思ってたんですけど、その生の音の迫力。

そうなんです、録音の音は生の音には絶対に勝てないんです。

だから、そのときは本当にアルゲリッチより上だと思ったんです。誇張なく。だって、秋田でアルゲリッチなんて聴けないし。その空間は、おそらく聴衆全員が愛子さんのピアノに浸っていたと思います。

2曲目、3曲目はショパン、エチュードより4番、5番。有名な曲ですが難しい曲です。特に有名な曲ほど誰かの音に似ることが多く、表現が難しくなります。

だけどそれも「愛子さんらしく」弾けていました。

断言しますが、杉原愛子さんは今後絶対、有名なピアニストになります。本当に才能の芽を見たんです。もしかしたら世界に行けるかもしれないと思っています。

「杉原愛子」この名前を僕は胸に刻みました。

次は高校生の女の子。リストの愛の夢。有名な曲ですね。堂々とした演奏で、あのメロディがとてもまっずぐ心に響く感じ。

そして、最後は大学生のはじめての男性演奏者。しかし、これはちょっとおもしろくなかった。ショパンのマズルカ風ロンドを弾いたんですが、この曲、めっちゃ難しいです。リストよりも難しい。だけどその小手先だけにとらわれて、「この難しい曲弾けてるよ、かっこいいでしょ、俺!」感が強かった。

こうなると音楽って死んじゃいます。

そこで見えてきたことがあります。

音楽初心者だからこそ、出せる音がある。

それは本当に楽器を弾くことが楽しくて楽しくてほかのことが手に憑かないぐらい好きじゃないと出せない、純真無垢でまっさらな音

彼女たちにはすべてそれがありました。

そして時がたつほどに演奏は苦しくなっていきます。評価にさらられ、批評を受け、無責任なアドバイスを真に受けて自分の音楽を見失います。これがまさにこの大学生の場合。

そして、それは僕にも当てはまりました。

理論では人の心を動かせない。音楽で大事なのは”フィーリング”

帰ってきて、まずしたのは僕が人生ではじめてつくった曲を聴くこと。

その曲がこれです。

Feel Existence 20歳のころにはじめてつくった曲

これが「Dawn」をつくった人と同じ人だと思えますか? 思えないでしょう。

僕は改めてこの曲の初期衝動に震えたんです。「あ、そっか、僕ってもともとはこういう風な曲を作りたかったんだよな」って。

ここから先は音楽理論にガチガチに縛られて面白くない曲ばかり量産しました。「Dawn」なんてかなり頭でっかちでリスナーのことなんか考えてない。

いや、「Feel Existence」の方が自己満足感はあるけど、でも、なにか惹かれるものがありませんか?

それって根源的な衝動がこの曲に宿ってるからだと思うんです。この曲はまだ生きてるんです

僕は理論にとらわれて楽曲に息を吹き込むすべも忘れていたみたいです。

そもそも僕はなぜ音楽を創ろうと思ったか。

好きだったからです。

それだけ。作ってる時が無性に楽しかった。

でも今はどうだろう。確かに楽しいけど、自分のやりたい音楽をやれてない

自分の出したい音があっても「それは理論的に違うから」って言って、やらない

それではダメなんです。

アーティストっていうのは唯一無二でなければらなない。リスナーは何億曲という中からその一曲を選ぶわけだから。

誰しも自分にしか出せない「個性」がある。そして、「個性」のない曲は死んでいる。

そのことを、中学生の女の子に教えられました。

最後は秋田青少年オーケストラによる演奏。人数が少ないので先生も混ざってたし、小学生低学年の女の子は子供用バイオリンを使っていました。オーケストラと言っても弦楽のみなので金管、木管はいない。

でも素晴らしい音をしていました。本当に楽しそうに、踊るように弾いていました。

僕はその姿を見て嫉妬してしまいました。

自分はこんなに音楽のことで苦悩しているのに、あの子たちはあんなに楽しそうに音楽やってる。そのことが悲しくもあり、情けなかった。

だから、僕はもう理論を捨てます

いや、使わないと曲は創れないんだけど、そうじゃなくて、自分の出したい音を最優先にします

半音ぶつかってるとか知らねーよ! だからなんなんだ!

理論が僕が楽しく音楽を創るための障壁になっているんです。理論で作曲を覚えてしまったから。

もう少し感覚に頼っていい。

音楽で一番大事なのは”フィーリング”です

少し聞いた感じでダメなら、その曲はダメなんです。

そのために、もっと自分に素直になろうと

理論的にそれていても、自分が楽しく音楽を創ることが、最終的にリスナーに届く理由になる

そのことを深く胸に刻んだ一日でした。

本当に若いエネルギーとはすばらしい。

僕ももう今年で28ですからおじさんに片足突っ込んでます。

もう一度、はじめて曲を完成させたときの感動を味わいたい、そういう思いで音楽を創っています

そのヒントを確かに受け取りました。

ありがとう!

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