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「作曲少女Q」からの問い 誰のために音楽を創るの?

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「作曲少女Q」というのは14日間で初心者が曲を作れるようになる!というメソッドをもとにした理論書兼ライトノベルです。

天才女子高生作曲家「黒白珠美」に、いたって平凡な女子高生「山波いろは」が作曲を教わるというストーリーで展開される音楽の作り方。

僕は「作曲少女」「作曲少女2」「作詞少女」全シリーズ読破していますが、このメソッドをやればどんな人でも曲を作れるようになると確信しています。まあ、音感ないとちょっときついんだけどね。

今回の本は番外編の短編集ということで、実は時系列的には「作曲少女2」よりも前にネットで連載されていた記事がもとになっています。ですから「作曲少女1.5」って感じですね。

珠ちゃんのおかげで曲を作れるようになったいろは。そこへ押しかかる作曲初心者あるある。僕も経験あるなーと思いつつ、その核心的な切り口や、仰木日向先生特有のバッサリ切っちゃう言い方なども含めて非常に楽しく勉強させてもらいました。

主な内容はこんな感じ。

  • 本物の音楽の探し方の話
  • 高級音源の厚化粧の話
  • 一週間以上同じ曲をいじっているときの話
  • モチベーションが全く上がらないときの話
  • 作った曲の変なトコを見つける方法の話etc…

なかなかおもしろそうだし、作曲したことある方はすごい共感してくれると思います。

で、2つ、ものすごく心に突き刺さった話が合って。

それは

私の曲の存在価値の話

珠美が作曲を始めた日の話

の2つです。

作曲において特に大事なマインドについて書かれています。

誰のために音楽を創るの?

いろはは作曲ができるようになったけれど、まだいまいち実力もないし、こんな素人が曲を作ってていいのかな、とふとこぼします。

それに対して珠ちゃんは即座に

「そんな当たり前のことわざわざ答えるまでもないことだけどさ、それは”いろはのため”だろ」

と断言します。

つまり、「音楽は自分のために創ってる」というわけです。

作中では「完璧な音楽とは何か?」という問いが出されます。

自分が本当に求めている音楽。それはおそらく自分にしか作れない。誰かに創ってもらったものでは100%満足はできない。どこかでずれが生じてしまう。

だから、自分にとって最高の音楽を聴きたいから、自分で作曲する。

これはとってもシンプルだけど、衝撃的な発言。

もちろん珠ちゃんはプロなわけで、お金をもらっているけれど、

「プロだからこそそう思うんだよ。好きな音楽を作ってない人は、求められなくなるよ。何が好きで、何を作っていきたいか、自分が好きなものをまっすぐ見る。それがクリエイターの姿勢だ。それ以外は気にしなくていいよ。そうやって作ったものが、自分みたいな似てる好みの人の心に届く。きっと届く」

僕は何をやってたんだろうなあと思いました。

僕は正直、悩んでいました。これからの作曲活動をどういう方向性で進めるか。

自分でやりたい音楽はある。だけどそれは世間に評価されなかった。渾身の力を込めて作った曲も評価されなかった。

自分の好き=他人の好きじゃないんだって痛感した。

だから、他人に求められるようなものをつくろうとしていた。

でもそれって楽しい?

人の顔色うかがって曲つくるの楽しい?

これは人生も一緒です。

評価されることが成功じゃない。自分が満足して幸福でいられることが成功なんだ。

僕の夢を言いましょうか。

僕の夢は「山にこもって発表するでもない曲を作り続けること」です。

60代くらいの目標ですけど。

僕、そんなに承認欲求ないんですよ。

曲褒められても「へー、そうなんだ」で終わり。

何が大事かって、自分にしか作れないと思える作品をつくることが僕の目的なんだって、このときやっと気づかされたんです。

それで言うなら「disabled novel」も僕にとっては最高のダンスミュージックです。

「Dawn」は歌モノなのにストリングスの主張がめっちゃ強くて、で、サビで爆発的にストリングスと歌が盛り上がるのがいい。2番なんてすごい。アレンジ全部変えてAメロがピアノトリオ、Bメロがストリングスカルテット、で、最終的にオーケストラになっちゃう。こんな曲、誰も書かねえよ!って思うじゃないですか。そこがいいんですよ。パッションを感じる。命かけてんなって。

だから、全然、僕、間違えてなかったなって。そのときどきに全力で自分の好きな音楽を作ってったなって思いました。

評価されないことは悪いことじゃない。

いちばん悪いのは自分の好きでもない曲を量産することだ。

僕にとって音楽は「アート」です。

誰もやったこととないことをやる、それが僕のアートの定義です。

だから、誰も聞いたことのない音楽をこれからも作りたい。

それでいて、少しでもいい。聞いてくれる人がいたらいいじゃないか。

もちろん、完全に自分の好きなようにやるってなったら、それは普通の人には刺さらないと思います。

そこはバランスです。

「個性」と「一般性」を天秤にかけて、「個性」に重心を置くんだけど、「一般性」も入れておく。

それができてやっとプロだと思います。

実際、最近のバンドはかなり戦略的で、自分のやりたいこととやるために、まず、売れて、そこからもっと自分の個性の比重を増やしていく、ということをやってきました。

King Gnuが一番わかりやすくて、いきなり「三文小説」を出したら「なんだ?こいつら」で終わってたと思います。彼らは先に「白日」を出してたからアレができたんです。

ファンがつけばある程度の突飛さは受け入れてくれます。だから、最初は間口を広く取らなければならない。

より多くの人に聞いてもらえる形式にしておいて、その中で、自分の「個性」を発揮する。

これが僕の今後の戦略です。

実際、今のネットシーンを見てると、もう脱バンドや脱音楽理論が横行しています。

たぶん、「真に自分らしくあれること」がネットシーンでは特に重要なんです。

これは音楽に限らず、ビジネスでも。

自分の意見を周りを気にせず言って、実際に行動に移してる人はもうみんな成功してるでしょ?

そういう「自己プロデュース力」みたいなものが求められてるんだと思います。

これまでは「これ、理論と違うからやめよう」とか言ってました。

だけどやめます。

理論なんてただの量産マニュアルなんだから。

今の個の時代にそのマニュアルで太刀打ちはできないよ。

より洗練された個性というものが求められてるんだと思います。

不幸なんて全部喜劇なんだから

これは珠ちゃんが作曲をはじめるきっかけとなった出来事のお話です。

「作曲少女」で触れられてるんですが、珠ちゃんも自分のやりたいことが見つからないタイプでした。

そこで、テニス部に入るんですが、一向に上達しない。そこで部活で一番うまい選手に言われるんです。

「努力してる時点で向いてないのよ。だって、私、テニス頑張ったことなんて1回もないもの」

これはのちの珠ちゃんの回想で、「好きなことを夢中でやっている人はそれを努力だとは思わない。努力を努力だと思わないことこそが才能なんだ」と言っています。

でも、このときの珠ちゃんは自分が向いているものを見つけられていませんでした。

そこで休日にショッピングモールに行くと、そこで天才女子中学生トランぺッター青鬼音々のライブが行われていました。

その演奏に珠ちゃんは心惹かれます。

だけど、自分には遠い世界なんだろうな、と思ってしまいます。

その後、偶然、青鬼音々と鉢合わせ、自分の今の悩みを聞いてもらいました。

それに対して音々は「それはあなたが決めることよ」と突き放します。

珠ちゃんは困ってしまって、でも、これだけは聴いておきたくて、彼女に「自分に向いているものをどうやって見つけたんですか?」と聞きました。

彼女は「それなら”あなたを一番注意深く観察している親しい人”に、自分では頑張ってないのにその人から見てすごいなって思ったことを聞きなさい」と答えます。

それを家に帰って珠ちゃんはお父さんに聞きました。

「自分がやっていたことで、すごいと思ったり、うまいなと思ったことったあった?」と。

すると、珠ちゃんのお父さんは昔のケータイを取り出し、小学生のころ、珠ちゃんがケータイの着メロ機能を使っていろいろな曲を耳コピしていたことを話します。

それは珠ちゃんにとって全然、頑張っていないことでした。

だけど、お父さんはそれが自慢でした。

そこで、自分に向いてるのは音楽だと見つけるのです。

僕はその青鬼音々の最後のセリフに心をわしづかみにされました。

「あなたって結構、喜劇的で面白いわよ?不幸なんて全部喜劇なんだから。長い目で見て笑い飛ばせばいいんですのよ」

衝撃でした。泣きそうになりました。

僕は精神障害者として10年生きてきました。それは僕にとって悲劇的なことでした。

高校を辞め、高卒認定をとって大学に行ったのに辞め、障害者施設に6年も行きたくないのに行くことを強要され、必死で通って。

それで僕はなにも手に入れられなかった。

ここに幸福はないって確信した。

もう周りの人に騙されない。

自分の好きなように生きてやる。

そういう覚悟で開業届を出して今に至ります。

まだ、その10年を笑い話にはできません。だけど、この10年がなければ僕はフリーランスでWEBデザイナー、作曲家、文筆家なんてやっていません。

あの10年が地獄だったからこそ、自分の本能に従うように、やりたいことを徹底的にやるって決めたんです。

誰の指図も受けたくない。

自分の道を進むと。

それは5年後、振り返った時に、きっと喜劇になっています。

あの10年があったから今ここにいるって胸を張って、笑顔で言っていると思います。

そのために、今、必死にスキルを磨いて実績を作らなければならない。

でも、つらいなんて思いません。

全部、楽しいことだから。WEBも作曲も文章書くのも心底、楽しい。楽しいことだけで生きてて、どこまでも自由です。

だから、自分の過去を間違いにしないように、諦めず、粘り強く、辛抱強く、心を強くして、今という貴重な時間を精いっぱい生きようと思います。

それが僕にとっての幸福だから。

僕の幸福の定義。

それは

「自分が一番自分らしくあれること」

です。

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