昨日の20時に、新曲「JESTER」を公開しました。
皆さん、もう見ていただけたでしょうか。
結構気合の入った作品になっていて、MVも曲も自信があります。
制作の裏話はこれまでもいろいろ話してきたんですが、まだ話していないのがミックスの話です。
マスタリングについては過去に話しているので、今日は今回こだわってやったミックスについて書いてみます。
海外のエンジニアの動画で勉強した
今回のミックスは、YouTubeで海外のエンジニアの動画を見て勉強してから挑みました。
よく見ていたのが、クリス・ロード・アルジさんです。
マイ・ケミカル・ロマンスやグリーン・デイを手掛けているエンジニアさんなんですが、この方、個人でYouTubeをやっているんですよね。
彼のスタジオが本当にすごい。
グラミーを何回も取っている人なので、SSLのコンソールが80トラックぐらいあって、壁一面がハードウェアで埋まっています。
そして、だいたい卓でバババッと、5秒とか10秒とかでEQを決めてミックスを進めていくんです。
ものすごい速さでどんどん形になっていくのが、彼の特徴ですね。
あとはMix & Mastersというチャンネルもよく見ました。
どちらも英語なんですが、結構英語を勉強しているので字幕なしでも割とわかるという感じにはなってきています。
エフェクトを足しすぎていた
それで気づいたのが、自分はちょっとエフェクトを足しすぎだなということでした。
僕はいつも、ワントラックに8個ぐらいエフェクトを挿していたんです。
でも、プロのエンジニアほど挿すエフェクトの数は少ないんですよね。
本当に限られたことしかしないし、何だったら一流のエンジニアは卓のコンソールでEQもコンプも済ませてしまう。
だから、Pro Toolsを立ち上げてもほとんどエフェクトが挿さっていない、みたいな人たちがすごく多いんです。
それで言うと、僕はきっと無駄なエフェクトを足していたんだろうなと、すごく感じました。
コンソールのEQであんなにいい音が出るのなら、と。
今回は、アナログのEQプラグインで整えて、アナログのコンプを入れて、最低限のデジタルEQを挿すという組み立てにしました。
デジタルのEQを使うと、サージカルな、外科的なことが結構できてしまうじゃないですか。
この帯域に音が集まっているから全部カットしよう、みたいなこと。
そういうことは、多分プロの人はやらないんだろうなと思ったんです。
なので、EQはあまりかけすぎない感じで、ふわっとまとめる方向で仕上げました。
全トラックのローカットをやめた
これは議論が分かれるところだと思うんですが、僕は今までずっと全トラックにローカットを入れていました。
30Hzの、もう人間の耳には届かないぐらいのローエンドをずっとカットしてきたんです。
そのクリス・ロード・アルジさんが、これについて述べていて、全トラックにローカットを入れるのは良くないと。
ボーカルとか、問題のある帯域を削るのはいい。
でも、30Hz以下の部分に音のエネルギーが詰まっているのだから、それを何の考えもなしに切るのはダメだ、という風に言っていました。
そうなんだ、プロはそう考えるんだ、と思いましたね。
なので今回のトラックは、ローエンドを活かすというか、30Hz以下をカットしないようにしました。
ローカットはほとんど使っていません。
使ったのは、ボーカルぐらいですかね。
PAから出したような音になった
その結果、今回のミックスはすごくライブ感があるというか、PAから出した音なのかな、みたいな音の良さがあります。
あまり外科的なことをしなかったので、それがよりアナログな感じにまとまってくれたのかなと思います。
いいミックスで、いいマスタリングだと自分でも思っています。
マスタリングの話については前にしているので、そちらを聞いていただければと思います。
ミックスはそんな感じで、できるだけエフェクトを足さない方向で今回はまとめていきました。
アナログのEQでちょっと整えて、アナログのコンプをかけて、あとは最低限のデジタルEQ。
ローエンドをカットしたり、ボーカルならハイエンドをちょっと上げたり、問題のある箇所を少し下げたりとか、ほんの調整ぐらいで済ませています。
引き算のミックス、ぜひ試してみてください!
