2月23日、秋田のクラシック音楽ホールであるアトリオンで開かれた山形交響楽団によるベートーヴェン交響曲第9番の演奏を聞いてきた。 正直言って心が震えた。ライブでこんな感動を味わったのは初めてかもしれない。 実は当初は山形フィルに対して不安があった。仙台フィルならまだしも山形なんて地方のオーケストラに […]
藤井風のMVに潜む哲学性
藤井風のMVが次々と公開されている。そしてその完成度の高い、メッセージ性の強いMVが話題を呼び、加速度的に再生数は増えている。このMVと一緒に見てほしいのが、本人による解説動画。 この曲は一聴すると歌詞が岡山弁だったり、韻を踏んでいることによって少しだけイロモノとして聞いてしまう人もいると思う。しか […]
ディスクレビュー-女王蜂「BL」
女王蜂の快進撃が止まらない。アニメ「どろろ」の主題歌になった「火炎」は本当に素晴らしい曲だった。最初は打ち込みから始まり、Bメロでゴスペルになり、サビで強烈なギターソロが盛大に煽る。今までサブカル色の強かった音楽性から抜け出し、真にポップなもの、それでいてロックなもの、そして洋楽としても通用するサウ […]
ディスクレビュー-ジャスティン・ビーバー「Changes」
ジャスティン・ビーバーの新作が素晴らしい。素晴らしいとは言っても、これは音楽的に素晴らしいのではなくて、むしろこのアルバムの作り方が斬新だ、という意味になる。 まず、驚かされるのが極端に音数が少ないこと。これは近年のポップスによく見られる傾向だが、ジャスティンの場合は意図的によりシンプルに、よりソリ […]
AI作曲家は人間を超えられるか?
2020年4月28日にベートーヴェン生誕250周年記念の一環として「交響曲第10番」が演奏されることになっている。ここでおや?と思うかもしれないが、そう、ベートーヴェンは第九を完成させてなくなっている。第10番は断片やスケッチのみで完成には至らなかった。では、それをなぜ演奏できるのか。実はこの交響曲 […]
ディスクレビュー-Eve「smile」
間違いなくEveの最高傑作である。そして、今年の躍進がもう約束されたような非常に完成度の高い、密度の高いアルバムである。 Eveはもともと歌い手でニコ動出身のアーティストだが、次第に自ら作詞作曲するようになり、歌い手からアーティストへと変貌を遂げていった。「ナンセンス文学」「ドラマツルギー」「お気に […]
ディスクレビュー-Nakamura Emi「NIPPONNO ONNAWO UTAU BEST2」
このアルバムはタイトルからしてすべてを物語っている。女性シンガーソングライターであるNakamura Emiが自分の女としての誇り、日本に生きることの誇りを歌った曲がそろっている。 Nakamura Emiはとても独特の声質を持っている。とてもハスキーでそれでいて太くはなく、時に鋭く感情を揺さぶる。 […]
ディスクレビュー-tricot「真っ黒」
tricotはUSインディー直系のサウンドを鳴らす、オルタナロックバンドである。そのtricotがメジャーデューすると聞いた時は驚いた。しかも自主レーベルではあるものの、所属はあのavexだ。なぜ、あの天下のavexがtricotをメジャーデューさせようと思ったのだろう? 長らくインディーのならず者 […]
ディスクレビュー-雨のパレード「BORDERLESS」
雨のパレード渾身のアルバムが素晴らしい。前作、「Reason Black of Color」では幾分、前衛音楽的な、実験性に富んだ作品だった。バンド自身もその実験を楽しんでいるようだったので、このバンドはもうこういう方向性で行くのだろうと思っていたが、この新作「BORDERLESS」のなんとポップな […]
ディスクレビュー-Base Ball Bear「C3」
長らくBass Ball Bearを聴いていなかった。僕が初めてライブハウスでライブを見たのは秋田LIVE SWINDLEで行われたチャットモンチーとベボベの対バンだった。今思うと超貴重なライブだったように思う。 ベボベが新人バンドとして売れ始めたのは「17才」や「Changes」のあたりだったよう […]