予告通り、新曲「Black Lives Matter」が10月28日に公開になりました。 今回はこのプロジェクトの全容と制作の裏側をお伝えしようと思います。 自分の強みを生かすなら 僕は音楽も作れますし、小説も書けます。 実をいうと、小説を書くほうが得意だったりします。 そこで! これは完全にYOA […]
新曲「Black Lives Matter」10月28日(金)19:00~YouTubeにて公開!同時に小説版も投稿!
お久しぶりです、tokihaです。 すいぶんと長く曲を投稿していないので僕がボカロPであることを忘れてしまっている人も多いとは思いますが、この一年半、ずっと一曲のために時間を費やしてきました。 この曲は、もはや楽曲ではなく、一つのプロジェクトです。 この曲には小説版があります。 こちらも僕が執筆しま […]
[小説]Black Lives Matter-エピローグ
2120年5月25日、世界最大の量子コンピューターA.I.Dが機能停止。これにより、アドミゼブルという国家は崩壊した。国境付近のゲートが破壊され、そこからグリートの治安維持軍が潜入。アドミゼブルの国民はグリートに非難した。 5月30日、グリートはアドミゼブルの併合を発表。AIによる統治国家は終わりを […]
[小説]Black Lives Matter-第八章
2120年5月25日午後7時55分「準備はいいか?」 トキハは一通り準備を終えたらしく、数十個はあるディスプレイから目を離し、俺たちを振り返った。俺は左手側、キーボードのイリス、トランペットのアーノンに目線を送る。みな、神妙な表情でうなずく。俺の真裏のドラムのクルト。にやっと笑って返す。右手側のカロ […]
[小説]Black Lives Matter-第七章
トキハの案内で本当にA.I.Dに感知されずにオーソサエティータワーの外に出ることができた。外はもう暗くなっていて、久しぶりに浴びる夜風が心地いい。「レオ、お前に会わせたいやつらがいる」 そう言って、トキハは裏路地をかいくぐり、古びた工場跡のような建物に案内した。 そこには、Black Lives […]
[小説]Black Lives Matter-第六章
真っ白な天井を見つめていた。ただ何の意味もなく光り続ける蛍光灯を見つめていた。 ここはオーソサエティタワー内部の拘置所。 あのデモからもう三日が経つ。 あのとき、グレイはデモの首謀者は自分だと必死に主張した。だが、署名活動の責任者の名義が俺、Black Lives Matterリーダーであるレオで […]
[小説]Black Lives Matter-第五章
三か月後、百万名の署名が集まった。その知らせが来たのは、ライブ中だった。そのことを報告すると会場から歓喜の声が湧きあがった。「これで俺たちは自由だ!」「やっとA.I.Dに報復できるぞ!」「今こそ民主主義を取り戻す時だ!」 ”Black Live Matter! Black Lives Matter […]
[小説]Black Lives Matter-第四章
僕らの三か月間のスケジュールはその後、一週間の間にすべて埋まった。 観客が端末で撮影し、ネットにアップした動画はすべてA.I.Dの検閲対象になり、すぐに削除されたが、口コミで僕らの噂は広まり、瞬く間に人気者になった。 ネット記事には「葬られたブラックミュージックを再生するレジスタンス、Black […]
[小説]Black Lives Matter-第三章
週末、クラブカルト楽屋。俺たちは緊張の面持ちでそれぞれに練習をしている。 「Black Lives Matter」は雑なようでいて、たくさんのスキルを要求していた。ひずんでいてよくわからなかったが、この楽曲に参加しているミュージシャンはすべて超一流の技術を持っていた。そのうえで、あのリズムの狂った […]
[小説]Black Lives Matter-第二章
家に帰って、浴びるように酒を飲んだ。銘柄は何でもよかったので、戸棚に入っていたウィスキーをロックで飲んだ。俺はそんなにお酒に強くない。すぐに酔うだろう。吐くかもしれない。だけど、そんな自堕落なことをしない限り、やってられなかった。 俺はなんで音楽を始めたんだっけ? 家のギターを眺め、思う。 そうだ、 […]