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イオンと地元企業は共存できるか?

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いいニュースが届いた。秋田駅近くにあるフォンテの地下一階の食料品売り場が21年2月末をもって徹底するという話を以前したが、21年春より、秋田の地元企業であるナイスが出店することになった。

ナイスは秋田では有名な地元のスーパーで、品ぞろえが豊富なのと価格が安いのが特徴で、秋田の主婦に愛されている。特にお弁当は値段の割にボリュームがあり、かなりの数が売れる。

これは本当にいいニュースだ。僕は中央市街地が衰退するのならイオンに希望を託すしかない、ということを書いたが、実際、最もベターなのは地元企業がその穴を埋めることだった。今回はナイスの勇気ある行動をまず称賛したいと思う。

フォンテは売り場が狭く、またバスで来る人が多い。そのため、箱売りなどはやめて、食料品を売ることに専念することになるのだそうだ。フォンテはもともと地価が高いので価格が高かったため、ナイスになってぐっと価格が下がってもっと集客が見込めるかもしれない。また、現在、秋田駅周辺で高層マンションが建築されており、その人たちには便利なスーパーになるだろう。また、お弁当が魅力的なので、現在もあるフードコートで食事をする人が増えるかもしれない。食費をおさえたい高齢者や学生にはもってこいだ。

前回、イオンの記事を書いてから若干の変動が起きた。秋田の有するサッカーチーム・ブラウブリッツ秋田がJ3からJ2に昇格することが可能だったのに、サッカー場がないために昇格することがかなわず、悔し涙を飲んだ。それ以降、県内ではサッカー場整備計画が進んでいたのだが、秋田市の精査によって3つの候補地すべてにおいて建設ができないという報告がなされた。おそらくここから野党はサッカー場施設といっしょにイオンを誘致する総合商業施設エリアの建設案を立案するだろう。そうすれば、イオン計画が前進する。

さて、では、このナイスの出店とイオンの出店は競合できないのか?僕はそうは思わない。

仮に、外旭川にイオンができたとしよう。映画館もあって、広大なショッピングモールもあってサッカー観戦もできる、至れり尽くせりの場所だ。しかし、イオンに行くのはせいぜい週に一回ではないだろうか?

なぜなら、イオンは基本的に価格が高いし、スーパーとしての機能は実は低いからだ。それよりだったら、距離の近い小さなスーパーに行ったほうがずっと便利で安くいいものが買える。イオンにはトップバリューという格安のブランドがあるのだが、トップバリューのものを買っていい思いをしたことがない。そもそもの品質がひどいのだ。その分安いのだが、安物買いの銭失いという感じを毎回味わう。

基本的に買い物はいとくやグランマート、ナイスなどの地元企業で、週2,3回行って、土日に家族がそろうときにみんなでイオンに行くのではないだろうか。

だから、僕は地元企業とイオンは競合できると考える。それぞれにそれぞれの端緒を補える。そして、それは県民に選択の豊かさを与える。より豊かな生活が手に入る。

僕は、イオンができたから商店街が消えた、という古い価値観が嫌いだ。イオンがあっても生き残ってる商店街はあるし、それは商店街がイオンにまさるサービスができなかったのではないか、そもそも時代が商店街を選ばなかったのではないか、イオンは因果関係に関与してないのではないか、と思ってしまう。

県民が豊かになるためにはイオンが必要であり、また、それと同時に地元企業も協力して秋田を盛り上げていくことは十分に可能だと思う。それぞれにそれぞれの良さがあるのだから。だから、ただ旧来的な価値観に従っていたずらにイオンを責めるのは本当にやめてほしい。たいていは根拠のない偏見のように思える。そうした色眼鏡を外して秋田県の現状を見てほしい。秋田には若者の居場所がない。だから息苦しくなって県外に出ていく。イオンは彼らに遊び場を与えるだろう。そこがひとつのコミュニティの場になるだろう。イベントを主催する若者も出てくるかもしれない。そうした明るい面をもっと考えられないだろうか?